国際社会は台湾の民意を尊ぶべき
山田 智美
パンドラの箱を開けたのは米国だった。
「台湾、中華民国は国ではない」
とのデニス・ウィルダー米国家安全保障会議アジア上級部長の発言は、台湾人の国家意識に火をつけた。
事の発端は、台湾が従来申請してきた中華民国名義での国連復帰ではなく、「台湾」という名での新規加盟に向けて歩み出したことに発する。九月の国連総会に向けて七月中旬、陳水扁(ちん すいへん)総統が藩基文(ぱん ぎむん)国連事務総長宛てに送った加盟申請書が突っ返された。
国連事務局は不受理の理由を
「『一つの中国』の原則を規定した一九七一年のアルバニア決議に基づいたため」
と説明したが、台湾側は同決議が「台湾は中国の一部である」と認めたものではないと反駁。
「新規加盟を話し合えるのは安全保障理事会と国連総会だけで、事務総長に申請を拒否する権限はない」
(黄志芳こう しほう外交部長)として、すぐさま抗議文を送りつけた。追って、十六カ国の友好国が連署した台湾の国連加盟提案も提出された。
国内でも「台湾名での国連加盟」の賛否を問う国民投票を行う姿勢だが、ネグロポンテ米副国務長官が滞在先の香港で、国民投票の実施は
「現状を変えるもので、台湾独立に進む一歩だ」として「米国は反対する」と強い口調で牽制した。
国民投票を取りやめるようにとの米国の要請を拒否した陳総統は、ニカラグアヘ向う際、米西海岸でのトランジットが認められず、給油のためのアラスカ立ち寄りしか許されなかった。こうした国連、米国の高宮による台湾への圧力に対して反感が募る中、八月三十日のウィルダー部長の
「国ではない」発言で一挙に米国不信が高まった。
しかし、ウィルダー部長は「中華民国はこれまでずっと未解決の問題である」とも発言しており、統一派が喧伝してきた「中華民国」幻想を外側から突き崩す契機にもなった。
軍拡を突き進める中国は「人民解放軍は台湾に対してのみ存在する」と公言して憚らない。
現状維持は中国による台湾侵略の危険な道につながることを、日米両国はよく見極めて自由国家の盟友台湾を支持するべきだ。
(在台北フリーランサー)
●Takashi
「台湾、中華民国は国ではない」
この不愉快な発言で、来年の総統選挙は陳水扁総統が有利になったんじゃないでしょうか?
そんなに選挙は甘くはいですが、良い流れができました。
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