税制優遇の適格性欠く創価学会
ジャーナリスト 乙骨 正生
九月二日に野田政権が誕生した。
野田佳彦新首相は民主党代表選挙の過程で自民・公明両党との「大連立」を標榜。
八月十八日に千葉市内で行われた講演会では
「成功するまで何度でもお願いしに行く。
百一回でもプロポーズしたい」
と述べていたことから、今後、自民党そして公明党に秋波を送る可能性は高い。
もっとも、公明党は自民・民主両党が連立すれば出る幕がなくなる。
従って「大連立」には否定的。
公明党は衆参両院で与野党の過半数が異なるいわゆる「ねじれ国会」を利用して、政権への影響力を拡大したいとの意向を強く持っている。
公明党にとって野田新首相は、管前首相や鳩山元首相、小沢元代表と異なり、創価学会・公明党批判を行っていないことから、与し易いパートナーと判断していることは間違いない。
おそらくは「百一回」どころか一、二回のアプローチで擦り寄ることだろう。
ではなぜ公明党は、「仏敵」とまで呼んで批判していた民主党との関係改善に腐心するのか。
その理由は偏に創価学会を守ることにある。
既に週刊誌メディアなどで報じられているように、創価学会の「永遠の指導者」(創価学会会則)として、五十年余に亙って創価学会に君臨してきた公明党の創立者でもある池田大作名誉会長は、昨年五月以来、公の席に姿を見せておらず健康状態の悪化が取り沙汰されている。
具体的には脳梗塞を発症し後遺症が残っているなどの情報もあり、創価学会は早急にポスト池田大作体制を構築する必要に迫られている。
創価学会関係者の情報を総合すると、ポスト池田大作体制は、池田氏の長男である池田博正創価学会副理事長を後継とする世襲体制になると見られている。
しかし池田博正氏には父親である池田大作氏に比肩するようなキャリアもカリスマ性もない。
創価学会は平成三年に信徒団体として所属していた日蓮正宗から破門されて以来、池田大作氏を事実上の教祖に祭り上げ、その宗教的権威を求心力として組織の維持を図ってきた。
それだけに池田大作氏の死去は組織の求心力の喪失を意味する。
仮に池田博正氏を後継者として祭り上げたとしても、池田大作氏のような組織の求心力の要になりえるかどうかは不透明である。
しかも創価学会には、税制上の優遇措置を受ける公益法人(宗教法人)としての適格性を欠くさまざまな問題が存在している。
例えば矢野絢也元公明党委員長が明らかにした国税庁の税務調査の妨害問題がある。
公益法人として税の優遇措置を受けながら、税務調査を妨害するなど許される行為ではない。
あるいは昨今、テレビの人気司会者だった島田紳介が暴力団との親密な関係を問われて芸能界を引退したが、昨年、山口組系後藤組の後藤忠政元組長は、著書で創価学会との親密な関係を明らかにしている。
また創価学会には厳しい司法判断も相次いでいる。
平成十八年には対立する日蓮正宗の僧侶に対する名誉毀損で宗教法人・創価学会そのものと秋谷会長、青木理事長(宗教法人代表役員)、原田副理事長(現会長)、奥山副会長、杉山青年部長、弓谷男子部長の不法行為責任が東京地裁によって認定され、同判決は確定している。
今年一月には、矢野元委員長に対する創価学会最高幹部らの人権侵害事件に関連して、創価学会本部の事務総長で、ポスト池田大作体制での会長・理事長候補の谷川副会長の脅迫・言論抑圧を東京地裁が認定した(控訴審係争中)。
また同じく今年三月には、筆者に対する創価学会青年部の機関紙「創価新報」による名誉毀損について、東京地裁は創価学会側の不法行為責任を認定し、損害賠償を支払うよう命じる判決を言い渡している(控訴審係争中)。
公益法人としての適格性を欠く数々の違法行為や不法行為。
そして「永遠の指導者」である池田大作氏の終焉という組織的危機を乗り切るために、創価学会そして公明党は政権との連立・連携を含む政治的影響力の拡大を企図している。
こうした創価学会そして公明党の動きは、先頃、足を引きずりながらロシア、中国を訪問した北朝鮮の金正日の動きを想起させる。
かの国では金正日から金正恩への世襲体制の維持のために金正日は両国を訪問した。
そしていまこの国では創価学会の世襲体制を円滑に進めるための政治的駆け引きが進行しているのである。
打倒・創価・公明!と思う方は
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