高部正樹著 並木書房刊
『戦友 名もなき勇者たち』
映画「ランボー」で、ベトナムの未帰還兵士を奪回に行く
主人公(シルベスター・スタローン)は寡黙で、
米国の大義を信じて戦う。
本書はランボー的人生の日本人版である。
まさに無償の行為のために、カレン族の正義を信じ、
カレンの独立を夢見てビルマ国境で闘い、
そして死んでいった日本の若者がいた。
本書は、その知られざる史実を淡々と書いた記録でもあり、
三人の戦死者へのレクイエムである。
しかし、なぜカレン独立と彼ら日本人の人生とはいかなる相関関係にあるのか。
小生はこの本が少数ではあれ、いまの日本のように全てが停滞し、大和精神を失った日本人に読まれることを不思議な感動をもって見ている。
泰平のぬるま湯に浸かりきり、いや沈みかけ、
自衛隊が戦争を知らず、いや、
軍人の名誉がなくなってしまったこの国で、
国家を守るという国防議論さえが壮大な無駄となりつつある。
そうした環境に生まれて育った若者が、何の衝動を駆られ、いったい何を求めて著者はビルマやアフガニスタンへ行って戦うのか。
果てはバルカン半島のボスニア・ヘルツェゴビナまで出かけて
クロアチア義勇軍に入り、戦った。
何のために。
これは文学の重要なテーマでもある。
ヘミングウェイ「キリマンジャロの雪」の冒頭場面を思い出す。
キリマンジャロの突兀(とっこつ)たる頂上付近に
一匹の豹の死骸がある。
「いったいなんのために何を求めて豹が
その高みにまでやってきたのか誰も知らない」。
評・宮崎正弘(評論家)
●Takashi
カレン族の現状を見て、親心のようなものが出たのでしょうか?
「戦友」の絆は凄いでしょうね。(中帰連は例外です)
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